2008年7月5日土曜日

訃報

先週、前の会社で一時期一緒に仕事をした仲間が亡くなったという悲しい知らせが舞い込んだ。ある新しい事業の立ち上げを一緒にやった仲間の一人であった。年初に膵臓の癌が見つかり、闘病の甲斐もなく亡くなったようだ。今でも彼の在りし日の姿はまぶたに焼き付いている。特に、事業立ち上げの初期の合宿で、彼と酒を酌み交わしながら事業の成功に向けた協力を誓い合った時のことは忘れられない。彼は営業側の担当であったが、その後、お互いにそれぞれのベストを尽くし、多くの困難を乗り越えて新規事業は無事に軌道に乗った。彼の協力無しでは事業の成功はあり得なかった。細身の身体の中に知力と馬力のみなぎった人で、タバコをくゆらしながら癖のある独特のトーンでの彼の語り口が今も耳元に甦る。あまりにも早過ぎる彼の死を心から悼む。

膵臓癌で思い出すのは、やはり前の会社で若かりし頃の上司が同じく膵臓癌で発見後短期間で亡くなった時のことだ。享年49歳であった。大変に頭のいい人で、その後も健在であれば少なくともその会社の技術系トップのポジションには上り詰める器量の人であった。努力とこだわりの人でもあり、生き様として彼から教わったことは数知れない。当時、ある難しい会議で、私が多勢に無勢で苦戦していた時、フラッと前触れも無く一人で会議室に入ってきて、その場の雰囲気を変えてくれたり、別の案件で理不尽な攻撃を受けた時に、状況を瞬時に理解してこちらの立場で相手の部署に抗議に出向いてくれたり、常に頼りになる上司であった。海外出張先で彼の訃報を聞いた時、一緒にいた同僚は突っ伏して号泣した。

在りし日の彼等の姿を思い浮かべ、彼等と出会えたことに改めて感謝の気持ちを捧げると共に、心からご冥福をお祈りする。